採用薬の解説

睡眠薬は開発された歴史の古い順に、バルビツール酸系、非バルビツール系、ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬の6つに大別されます。

バルビツール酸系、非バルビツール系は耐性(投与するうちに、効果が低下していくこと)や依存性が強かったのですが、1960年代に開発されたベンゾジアゼピン系睡眠薬は危険な副作用がほとんどなく、耐性も生じにくく画期的な睡眠薬でした。そのベンゾジアゼピン系睡眠薬よりもさらに、睡眠に関係するω1受容体に選択的に作用する非ベンゾジアゼピン系が開発されました。選択的に作用するので、脱力や転倒といった危険な副作用の原因となっていた筋弛緩作用が少ないと言われています。

メラトニン受容体作動薬は、日本で開発された薬剤です。体内時計のリズムを整えているメラトニンというホルモンに働きかけるお薬です。オレキシン受容体拮抗薬は、覚醒の維持に重要な物質であるオレキシンの働きをブロックすることで、覚醒系の活動を適切に低下させて、睡眠状態を促すお薬になります。

当院は睡眠薬の中でも、比較的新しい薬で、効き方が優しく副作用が少ない薬を採用しています。依存性や服用をやめたときの離脱症状が極めて少ないため、睡眠障害が改善されれば薬をやめることもできます。

採用薬について解説します。

ロゼレム(一般名 ラメルテオン)

ロゼレム(一般名:ラメルテオン)は、メラトニン受容体作動薬です。メラトニンは脳の松果体から分泌され、体内時計により制御されています。就寝の2時間前から上昇し始め、就寝後4時間でピークに達し、朝には低値となります。ロゼレムはメラトニンMT1、MT2受容体に作用し、入眠時間を短くし、睡眠時間を増加させます。また体内時計を調整することも明らかにされており、極端に睡眠時間帯がズレている概日リズム睡眠障害や昼夜逆転などにも治療応用されています。自然な眠気を誘うもので、安全性が極めて高いお薬です。

メラトニンは海外ではサプリメントとして発売されており、日本では小児の特定の不眠(神経発達症に伴う過覚醒)のみでの適応が認められています。
副作用としては、翌日に眠気が残ることが目立ちます。

ロゼレムの効果は個人差があり、翌朝にも眠気が続いてしまうことがあります。日中の作業に支障が出るような場合は、すぐにご相談ください。

ベルソムラ(一般名 スボレキサント)

ベルソムラ(一般名:スボレキサント)は、オレキシン受容体拮抗薬です。

オレキシンは脳の覚醒系を制御して、覚醒の維持に重要な物質です。ヒトは夜間にオレキシン覚醒系が活動低下することで入眠したり睡眠維持しやすい状態となりますが、不眠症では夜になっても覚醒系の活動が適切に低下しません。ベルソムラはこの覚醒系の活動を適切に低下させて寝付きを良くし途中で起きてしまうのを改善するお薬です。後述のデエビゴ(一般名:レンボレキサント)も同じ作用のお薬です。

ベルソムラの副作用としては、眠気が残る・悪夢の2つが代表的です。

ベルソムラの効果は個人差があり、翌朝にも眠気が続いてしまうことがあります。日中の作業に支障が出るような場合は、すぐにご相談ください。また、夢をみているレム睡眠を増加させます。そのため夢が増え、悪夢となってしまうこともあります。

デエビゴ(一般名 レンボレキサント)

デエビゴ(一般名:レンボレキサント)は、オレキシン受容体拮抗薬です。

オレキシンは脳の覚醒系を制御して、覚醒の維持に重要な物質です。ヒトは夜間にオレキシン覚醒系が活動低下することで入眠したり睡眠維持しやすい状態となりますが、不眠症では夜になっても覚醒系の活動が適切に低下しません。ベルソムラはこの覚醒系の活動を適切に低下させて寝付きを良くし途中で起きてしまうのを改善するお薬です。前述のベルソムラ(一般名:スボレキサント)も同じ作用のお薬です。

デエビゴの副作用としては、翌日に眠気が残る・頭痛の2つが代表的です。
デエビゴの効果は個人差があり、翌朝にも眠気が続いてしまうことがあります。日中の作業に支障が出るような場合は、すぐにご相談ください。

ルネスタ(一般名 エスゾピクロン)

ルネスタ(一般名:エスゾピクロン)は非ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬に比べると、ルネスタは睡眠に関係する受容体に絞って作用します。このため脱力や転倒といった危険な副作用の原因となっていた筋弛緩作用が少ないと言われています。また耐性がつきにくく、依存性も抑えられています。

ルネスタは服薬してから血中濃度が最高値の半分になるまでの時間(消失半減期)が短く、超短時間作用型に分類されます。つまり作用時間が短く、翌日に眠気が残りにくい睡眠薬です。ルネスたは超短時間作用型の中では消失半減期が5時間と比較的長いため、中途覚醒にも効果が期待できます。

ルネスタの副作用としては、苦味と健忘に注意が必要です。
ルネスタには、苦味という独特な副作用があります。苦味があるかは人によって異なり、全く感じない方もいます。

健忘の副作用は、ルネスタの作用時間が短いためです。服用後から寝付くまでの出来事や途中で起こされたときの出来事、翌朝起きてからの出来事の記憶が抜け落ちてしまうことがあります。そのため、用事を全て終了してから就寝の直前に服用してください。

当院ではベンゾジアゼピン系睡眠薬は採用していません。
いきなり中断すると危険な薬剤もありますので、服薬状況によっては処方できない可能性があります。薬剤の急な中断は決してしないでください。

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