睡眠導入剤とは何か?市販薬はある?おすすめの漢方は?

睡眠のお悩みをお持ちでも、すぐに病院に行く方は少ないようです。
「まずは、市販薬を試してみよう!」
そう思われる方が多いのではないでしょうか?

今回は、市販薬を試そうかと思われている方に向けて、睡眠導入剤や市販薬についてお話します。

不眠は市販薬でも対処できる?


薬局で気軽に買える市販薬で不眠のお悩みが解決するなら、とても便利ですよね。
お休みを取って、病院を予約して、診察して会計を待つという諸々の時間を必要とせず悩みが解決するなら、それに越したことはありません。

しかし、病院で処方されるお薬と市販薬には違いがあります。

病院処方の睡眠導入剤と市販薬の違い

睡眠導入剤とは、睡眠を促す薬で、不眠状態や睡眠が必要な状態に使われる薬のことです。
一般に医師から処方される睡眠導入剤は、日常的な不眠、慢性化した不眠が対象です。

一方、市販薬は、睡眠改善薬と呼ばれ、一時的な不眠を対象にしており、効果もゆるやかです。
このように病院処方のお薬と市販薬の違いは、対象とする症状が、一過性の不眠かどうかという点にあります。

市販の睡眠改善薬で不眠を解決できるかどうか判断しよう


不眠の悩みが一過性である場合は、市販薬を試してみると効果があるかもしれません。
しかし、慢性的な不眠のお悩みの場合は、難しい場合が多いかと思われます。

ただ、「自分が一過性の不眠なのか、慢性的な不眠症と呼ばれるものに当てはまるか分からない」という方もいらっしゃいますよね。
以下に不眠症について簡単に説明します。

不眠症とは

そもそも不眠症とは、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害などの睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。
不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。

このように一過性ではなく、日常的・慢性的に不眠の悩みがある場合は、病院受診の検討をおすすめ致します。

また、不眠症は睡眠障害の1つですが、全く別の病気による症状だったという場合もあります。
このようなケースでは、自分では気付けない原因が隠れているかもしれませんので、お時間がある方は病院受診をされる方が早期の解決に役立つでしょう。

不眠症チェックをしてみよう

以下に簡易的な不眠症チェックを載せておきますので、試してみてください。
過去1カ月間に、少なくとも週3回以上経験したものを選んでください。

1.寝床についてから実際に眠るまで、1時間以上かかる。
2.夜間、睡眠の途中で目が覚め、再入眠に時間がかかる。
3.希望する起床時刻より早く目覚めて、それ以降、眠れない。
4.夜の眠りや昼寝も合わせて、睡眠時間が足りていないと感じる。
5.全体的な睡眠の質に不満がある。
6.日中、気分が落ち込むことがある。
7.日中の身体的および精神的な活動の状態が低下した。
8.日中の眠気がある。

以上の項目に2つ以上該当する場合は、病院受診を検討されてみてください。

市販の睡眠改善薬を買う時の注意点


上記のチェックには当てはまらず、不眠のお悩みが出てから日が浅い方は、市販薬を試されるのもいいかと思います。
以下に、その場合の注意点について説明します。

睡眠改善薬の特徴

睡眠改善薬には、鼻水などのアレルギー反応の改善や風邪薬などに用いられる、抗ヒスタミン剤などの副作用である「眠気」を利用したものなどがあります。
「花粉症の薬を飲むと眠くなる」という経験はございませんか?
病院処方の睡眠導入剤とは違い、直接的に睡眠に作用するのではなく、副作用としての眠気を利用する薬ということです。
その為、不眠に対して緩やかな効果が期待できます。

市販薬にも副作用がある?

しかし、すでに花粉症や風邪薬などを服用し、治療中である方の場合は注意が必要です。
上記のような抗ヒスタミン剤の副作用を利用した睡眠改善薬の場合、アレルギーの薬や風邪薬と成分が重複する可能性があるからです。同時期の服用は避けましょう。

また、市販薬で有名なものにドリエルがありますが、当院を受診される患者様の中にはこの薬を長期で飲まれていると話される方もいらっしゃいます。
ですが、ドリエルも睡眠改善薬に分類され、使われている成分は短期間を想定されています。
長期間の内服では、耐性が生じてしまい、効果が望めないのです。

市販薬を買う場合は薬剤師さんに相談しましょう

上記のように、睡眠改善薬の特徴や副作用などを知っておかないと、成分が重複する薬を内服したり、効果のない薬を内服してしまうということに繋がります。
市販薬の利点は、気軽に試すことができることですが、せめて薬局に居る薬剤師さんに相談してから購入しましょう。

不眠におすすめの漢方薬はある?


不眠症でお悩みの方で、睡眠導入剤にも睡眠改善薬にも抵抗があるという方は、漢方薬を試されるといいかもしれません。
東洋医学では、不眠も、漢方薬を使ってその原因を取り除くことを目的として対応します。
眠れない原因は、疲労やストレスによる「気」のめぐりの悪化によるものとされ、その改善を目的とする処方の漢方薬が考案されています。

市販の漢方薬について

不眠に対して使われる漢方薬で有名なのは、抑肝散や酸棗仁湯があります。
抑肝散は、緊張や不安からイライラしたり、気分が悪くなる方の神経症状を緩和し、眠りに繋がるものです。
酸棗仁湯は、ストレスなどで心身が疲れていて眠れないという方に適したお薬です。
薬名と商品名が異なることがございますが、市販薬としても売られていますので、薬剤師さんなどにご相談ください。

当院取り扱いの漢方薬について

その他、不眠に用いることのできる漢方薬はございます。
不眠専門のオンラインクリニックである当院でも、数種類の漢方薬で、その方に合ったお薬を処方して対応しておりますので、ご相談ください。

まとめ

市販薬を試そうと思われている不眠のお悩みをお持ちの方へ向けて、睡眠導入剤と市販薬の違いや、市販薬を試す上での注意事項などを説明させて頂きました。

病院処方のお薬も、市販薬も、その方に合った使い方であれば問題はありません。
しかし、合わない使い方では、不眠を悪化させたり、長期化させてしまうことに繋がるかもしれません。

安全に効果的に使うために、この記事を役立てて頂ければ幸いです。

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