【医師が解説】睡眠導入剤は効果があるの?副作用は?正しい服用の仕方もご紹介

不眠の症状に困っているものの、「睡眠薬を使うのは怖い」と思って、病院受診をためらっている人は多いのではないでしょうか?
今回は、不眠症についての対策や、市販の睡眠薬と病院で処方される睡眠薬の違いや、服用の際の注意点などについて説明していきます。
セルフチェックもありますので、試してみて、今後の睡眠状態の改善をどのようにすすめていくか検討してみてくださいね。

睡眠導入剤とは(睡眠薬、市販薬との違いも)

睡眠導入剤とは、睡眠を促す薬で、不眠状態や睡眠が必要な状態に使われる薬の総称です。
医師から処方される睡眠薬は、日常的な不眠が対象ですが、市販薬である睡眠改善薬は、一時的な不眠を対象にしており、効果もゆるやかです。

不眠症ってどんな病気?

不眠症とは、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害などの睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。

不眠症になる原因は?

不眠症にはそれぞれ原因があり対処法も異なります。主な不眠の原因としては、ストレス・身体的な病気によるもの・精神的な病気によるもの・薬や刺激物・生活リズムの乱れ・環境などが挙げられます。

自分が不眠症か簡単セルフチェック(10個のうち〇個当てはまると危険等)

過去1カ月間に、少なくとも週3回以上経験したものを選んでください。

1.寝床についてから実際に眠るまで、1時間以上かかる。
2.夜間、睡眠の途中で目が覚め、再入眠に時間がかかる。
3.希望する起床時刻より早く目覚めて、それ以降、眠れない。
4.夜の眠りや昼寝も合わせて、睡眠時間が足りていないと感じる。
5.全体的な睡眠の質に不満がある。
6.日中、気分が落ち込むことがある。
7.日中の身体的および精神的な活動の状態が低下した。
8.日中の眠気がある。

以上の項目に2つ以上該当する場合は、ご相談ください。

不眠症の治療法は?


不眠症の治療は、不眠の原因を診断し、取り除くことです。
原因が身体的・精神的な病気であれば専門の病院で治療し、自身でも生活習慣の改善が必要です。それをスムーズにするために、当院では睡眠薬や漢方を処方してサポートします。

不眠症にならないために

不眠症にならないためには、以下のことに気を付けましょう。

・寝る前の飲酒や喫煙は控える
・就寝・起床時間を一定にして体内時計を乱さない
・朝の日光を浴びて体内時計を整える
・お昼寝は15時までに20分までにする
・適度な運動をする
・音楽や読書や旅行など自分流のストレス解消法をみつける
・寝る前にリラックスタイムをもうけて、就寝時は副交感神経を優位にする
・ベッド、布団、枕、照明、温度や湿度など快適な寝室づくりを意識する

睡眠導入剤にはどのようなものがあるか(採用薬の紹介・漢方含む)

睡眠薬には様々な種類があります。
古い睡眠薬として、バルビツール酸系、非バルビツール系のお薬があり、これらは耐性や依存性が強かったのですが、1960年代に開発されたベンゾジアゼピン系睡眠薬は危険な副作用がほとんどない睡眠薬でした。

その後、さらに副作用が少ないと言われる非ベンゾジアゼピン系が開発されました。
さらに、メラトニン受容体作動薬は、日本で開発された薬剤で、体内時計のリズムを整えているメラトニンというホルモンに働きかけます。
そして、オレキシン受容体拮抗薬は、覚醒系の活動を適切に低下させて、睡眠状態を促します。

当院は、比較的新しく、副作用が少ない薬を採用しています。
また、漢方薬を使ってサポートすることで、不眠症の改善後はお薬を手放すこともスムーズです。

薬を服用するときのポイントや注意点について


お薬の種類によっても違いますが、基本的には就寝する30~1時間前に内服し、ゆっくり過ごしましょう。また、効果が増大し過ぎてしまうなど副作用に影響がありますので、睡眠薬を飲まれる際は、アルコールを控えておくようにご注意ください。

副作用はある?使用に注意が必要な人・NGな人は?

どのような薬にも副作用があるように、睡眠薬にも副作用はあります。
薬の種類によって違いはありますが、主に、注意力・集中力の低下、運動機能の低下、眠気、ふらつき、頭痛、倦怠感、脱力感などです。
このような症状があらわれた時には医師に相談しましょう。

また、その他の病気の治療薬を内服中、妊娠中、アレルギーがある場合などは睡眠薬を使用することに注意が必要です。
安全のために漢方薬での治療をすすめることもできますので、事前に医師に相談しましょう。

こんなときは病院へ(早い段階で受診してほしい)

上記のセルフチェックに該当する方や、日常生活に支障をきたしている場合は早期に病院受診をおすすめします。

また、眠れない日が続くと「今夜も眠れないのでは…」と不安になり、ベッドに向かうだけで緊張してしまう不眠恐怖の状態になってしまいます。
これは不眠が慢性化する原因でもあるので、まずは、病院受診をして治療することで眠れないという状況から脱することをおすすめします。

『睡眠導入剤』に関するQ&A


最後に睡眠導入剤や不眠に関する3つのQ&Aにお答えします。

不眠症は市販薬やサプリメントで治せますか?(ネムリノシリーズを紹介)

不眠症の根本治療は、生活習慣や生活リズムの改善によるところが大きいですが、そのサポートとして市販薬やサプリメントを使うことができます。
当院では、医師たちが開発した睡眠をサポートするサプリメントを提供しています。
こちらは体質改善としての役割が大きく、副作用もないためおすすめです。

不眠症ーは何人に1人くらい罹患しているのですか?

日本人を対象にした調査によれば、5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」「何らかの不眠がある」と回答しています。
さらに、60歳以上の方では約3人に1人が睡眠の問題で悩んでいるそうです。

不眠症のリスクは?

睡眠不足は免疫力にも影響を与えるため、病気の発症リスクが高くなり、さらに病気の回復をも遅くしてしまいます。
また、集中力・判断力が低下することで経済的な損失のリスクもあるといわれています。

まとめ

不眠症とはどんな病気なのか、対策や治療、睡眠導入剤の効果や注意点について理解は深まりましたでしょうか?
不眠恐怖に陥り、不眠が慢性化しないためにも、早期の対策や受診が大切です。
お薬は自分の状態にあったものを医師の指示のもと内服することで、安全に使用できます。
睡眠薬に対してネガティブな印象がある方でも、当院では漢方薬のみで治療されている患者様もいらっしゃいますので、一度、ご相談くださいね。

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